第6回両国アートフェスティバル2020(芸術監督:夏田昌和)【プログラムI】

早春の両国で聴く「音楽の過去・現在・未来」

下町・両国を舞台にした音楽祭、両国アートフェスティバル(略してRAF)。

第6回目は、芸術監督に作曲家・指揮者の夏田昌和氏を迎え、音楽に精通していない人、クラシック愛好家から現代音楽愛好家まであらゆる市民を対象に、ピアノ音楽を中心に声楽やインド伝統音楽も加えた3種類のコンサートを開催します。

親しみやすい小空間で、またオンライン生配信を通してお茶の間から、世代・地域を越えて体験する“今” の音楽に耳を傾けてみませんか。
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公演に寄せて                                                                        夏田昌和
「我々はどこからきたのか 我々は何物か 我々はどこへ行くのか」……ゴーギャンの絵画タイトルとして知られるこの言葉は、芸術の創造と継承に携わるものにとって根源的な問いであり続けます。今年度の第6 回両国アートフェスティヴァル、プログラムI では「我々はどこからきたのか」を確認するために、ルネッサンス時代から現代に至る約5 世紀の音楽史を、芸術監督の解説と4 人のピアニストによる演奏で一気に概観します。一般には異質のものと捉えられることも多い古楽とクラシック、現代音楽が、遥かな時と世代を超えて一本の線で繋がっていることを一公演のうちに実体験出来る催しです。続くプログラムII では、西洋音楽とインドの伝統音楽とを対比させることにより「我々は何物か」について互いに思索を深めていきます。数多くの文化や民族、言語、宗教、思想、ジェンダーが複雑に混じり合う現代世界において、他者と向きあい対話することは自らの存在や特性を客観的に見つめ把握するために最適の方法ではないでしょうか。そして最後のプログラムIII では、4 分音調律ピアノによる音世界の中に「我々はどこへ行くのか」を探ります。それは耳慣れた12 平均律を超える微分音の響きと未体験の音楽言語を、今を生きる作曲家達がそれぞれの方法で模索する試みです。

3 つのプログラムは、音楽史の歩みや微分音というキーワードを介して、それぞれ次へと繋がっていくように配されています。是非一続きのものとして3 公演をお楽しみ頂ければ幸いです。

 

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【プログラムI】我々はどこからきたのか 〜ピアノでひも解く西洋音楽500年史

ルネッサンス~バロック時代、古典派とロマン派、国民楽派と近代音楽、新ウィーン楽派から現代、という4つの区分、計32 人もの作曲家による楽曲を、解説つきで次々とお聴き頂きます。豪華な4人のピアニストによる多彩な演奏をお楽しみ頂くうちに、 西洋鍵盤音楽史500 年の大まかな流れと、作品様式や構造の変化、楽器の発展が音楽に与える影響なども自然にお解り頂けるはずです。

日時:2021年2月13日(土)16:00開演、2月14日(日)16:00開演(開場は各30分前)

出演:飯野明日香・瀬川裕美子・大須賀かおり・安田結衣子(Pn.) 、夏田昌和(解説)

プログラム:カベソン、フレスコバルディ、クープラン、バッハ、モーツアルト、ベートーヴェン、シューマン、ブラームス、ヤナーチェク、ドビュッシー、スクリャービン、バルトーク、シェーンベルク、メ シアン、ブーレーズ、リゲティ他の小品や部分、計34曲

 

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【プログラムII】我々は何物か〜クラシック vs インド音楽、テーマは”夜”

「夜」をテーマに、西洋クラシック音楽とインド音楽を聴き比べて頂きます。前半は 19 世紀のドイツ・リートとフランス印象派を中心とするピアノ作品、芸術監督の新作歌曲他でハーモニーの妙を味わえるプログラムを。 後半はヨシダダイキチのシタール演奏と解説で、インド音楽のラーガがもたらす豊 かな世界を、出演者による対談もまじえてお届けします。

日時:2021年3月7日(日)16:00開演、3月9日(火)19:00開演(開場は各30分前)

出演:青戸知(バリトン)、篠田昌伸・夏田昌和(ピアノ)、ヨシダダイキチ(シタール)

プログラム:

ラヴェル『夜のガスパール』より《オンディーヌ》(1908)

シューマン《月の夜》(1840)

ブラームス《 五月の夜》(1866)

夏田昌和《よく眠るための内気なセレナード》(2011)

R. シュトラウス《夜》(1882/83)

ヴォルフ《真夜中に》(1888)

夏田昌和《歌》(詩:谷川俊太郎/2020 委嘱・世界初演)

シャリーノ《夜の…》(1971)

シタール演奏:夜のラーガ

 

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【プログラムIII】我々はどこへ行くのか〜4分音ピアノで描く音楽の未来

1/4 音違いに調律された2 台のピアノを用いて、微分音程に満ちた響きの中に未来の音楽の可能性を探求します。この分野の先駆者であるアメリカのアイヴズとロシアのヴィシネグラツキー、この演奏会のために作曲された委嘱作品3 曲と、公募によって選ばれた若手作曲家による3 作品を演奏。世に演奏会は多々あれども、滅多に聴くことが出来ない不思議な音響世界を体験して頂きます。

公演日:2021年3月20日(土)16時、3月21日(日)16時

出演:及川夕美・大須賀かおり(ピアノ)

プログラム:

チャールズ・アイヴズ:《3つの4分音作品》2台のピアノのための(1903/24)

イヴァン・ヴィシネグラツキー《統合 Op.49》2台の4分音ピアノのための(1962)

夏田昌和・山根明季子・渋谷由香による新作(2021 委嘱・世界初演)

公募入選作品:

冨田正之介 《 一つ、またひとつ》(2020 世界初演)

渡部瑞基 《KonfrapunKT》(2020 世界初演)

キムヨハン 《A room between the rooms》(2020 世界初演)


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限定入場料金(税込)◉各プログラム10〜15名。要予約(今後の社会状況により変更となる場合もございます)

一般3,000円、会員・学生2,500円

電話/FAX:03-6666-9491(火曜日休館)

メール:ticket@monten.jp (@は半角に直してください)

・定員に達し次第受付を終了します。

・予約時にご案内する新型コロナウィルス感染症対策へのご協力をお願いします。

 

配信チケット料金◉1500円(税込)

*各プログラムの日曜日午後公演(2月14日、3月7日、3月21日)を生配信します。

配信チケット受付:ZAIKO

【プログラム I】https://monten-live.zaiko.io/_item/335431

【プログラム II】https://monten-live.zaiko.io/_item/335444

【プログラムIII】https://monten-live.zaiko.io/_item/335445

生配信を視聴できない場合でも、公演日を含めて4日間はアーカイブ配信を視聴できます。

 

 

主催:一般社団法人もんてん

後援:日仏現代音楽協会

協力:ナヤ・コレクティブ

助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、芸術文化振興基金助成事業、公益財団法人朝日新聞文化財団

 

 

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経歴(登場順)

 

夏田昌和 Masakazu Natsuda◉芸術監督

1968年東京生まれ。東京芸術大学大学院修了後、渡仏。パリ国立高等音楽院にて作曲と指揮を学び、審査員全員一致の首席一等賞を得て同院作曲科を卒業。作曲を野田暉行、永冨正之、近藤譲、Gérard Grisey、指揮を秋山和慶、Jean-Sébastien Béreau、伴奏法をHenriette Puig=Rogetの各氏に師事。芥川作曲賞や出光音楽賞をはじめとする受賞や入賞、入選多数。フランス文化省やサントリー音楽財団、アンサンブル・アンテルコンタンポランを始めとする数多くの公的機関や演奏団体、ソリストより委嘱を受けて書かれた作品は、世界各地の様々な音楽祭や演奏会にて紹介されている。指揮者としては邦人作品の初演や海外現代作品の紹介に数多く携わり、グリゼイの《Vortex Temporum》や《境界を越えるための4つの歌》の日本初演も指揮した。指揮者の阿部加奈子と共に日仏現代音楽協会を設立して初代事務局長を務め、その後も同協会を通じて様々な教育プログラムや演奏会・シンポジウム等の企画・運営に携わっている。2013年に東京オペラシティ・リサイタルホールにて大規模な室内楽個展が開催された他、ジパング・プロダクツよりCD「先史時代の歌〜夏田昌和作品集」をリリース。www.artandmedia.com/artists/masakazu-natsuda/

 

飯野明日香 Asuka Iino◉ピアノ

東京藝術大学附属高校、同大学、パリ国立高等音楽院ピアノ科、フォルテピアノ科卒。ベルギー政府給費留学生としてブリュッセル王立音楽院ピアノ科マスターコース修了。2010年第28回中島健蔵音楽賞、2014年度レコード・アカデミー賞(現代曲部門)受賞。音楽の友誌「コンサート・ベストテン2006、2009、2010、2011、2014」「旬の日本人演奏家たち」(2013年5月号)に選出され、現代音楽とフォルテピアノを中心としたリサイタルシリーズ「Parfum du Futur」や、CD「一柳慧ピアノ作品集」「France Now」「Japan Now」(全てレコード芸術特選盤他)は高い評価を得ている。洗足学園音楽大学、桐朋学園大学音楽学部、東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校非常勤講師。ピティナ汐留イタリア街ステーション代表。秋田市観光クチコミ大使。www.askaiino.com

 

大須賀かおり Kaori Ohsuga◉ピアノ

桐朋学園大学音楽演奏学科卒業、同大学アンサンブルディプロマコース修了。第9回日本室内楽コンクール第2位。2001年にデュオ「ROSCO」を甲斐史子(Vn)と結成、第5回現代音楽演奏コンクール競楽V優勝、第12回朝日現代音楽賞、2003年度青山バロックザール賞受賞。ソロリサイタルやオーケストラとの共演、内外の国際音楽祭への出演を重ねる傍ら、mmm… 、KOHAKU(ORIGAMI)、リレーション’70といったグループの一員としても意欲的な活動を展開してきた。多くの作曲家の作品初演やCD録音に携わり、これまでの初演数は300曲を超える。ジパングレーベルより4枚のアルバムと楽譜集をリリース。日仏現代音楽協会、日本・フィンランド新音楽協会会員。桐朋学園芸術短期大学、東京成徳短期大学、弥栄高校芸術科非常勤講師。http://kaoriohsuga.com/

 

瀬川裕美子 Yumiko Segawa◉ピアノ

国立音楽大学鍵盤楽器ピアノ専修を首席、同科ソリストコースを最優秀で卒業。2013 年よりリサイタルを東京文化会館小ホールやトッパンホールにてバッハから邦人委嘱作品まで、コンセプチュアルなプログラムで展開。その8 回目となるBoulez ピアノソナタ全曲リサイタル、並びに同プログラムのCD は朝日新聞や日本経済新聞で取り上げられた。これまでにCD5枚をリリースし、「レコード芸術」誌特選盤をはじめ「MUSIC BIRD」等、多数のメディアで紹介される。2022年3月に東京オペラシティ「B→C」に出演予定。アンサンブル活動に加え、他分野の芸術と連関させた独自のレクチャーも行っている。日仏現代音楽協会会員。日本アルバン・ベルク協会会員。http://www.yumikosegawa.com/

 

安田結衣子 Yuiko Yasuda◉ピアノ

京都市立音楽(現京都市立堀川音楽)高等学校を経て、東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。同大学卒業時にアカンサス音楽賞受賞。2007年、パリ国立高等音楽院ピアノ伴奏科に審査員の満場一致で入学、2010年、同音楽院を最優秀の成績で卒業。2011年の帰国後は日本を中心にピアニスト・作曲家として活動。2012年、第10回現代音楽演奏コンクール〈競楽Ⅹ〉入選。現在、東京藝術大学音楽学部、東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、国立音楽大学非常勤講師。

 

青戸 知 Satoru Aoto◉バリトン

東京藝術大学首席卒業。在学中に安宅賞、松田トシ賞受賞。同大学院修了と同時に文化庁オペラ研修所修了。文化庁派遣芸術家在外研修員として渡伊。二期会『ワルキューレ』ヴォータンで大喝采を浴び、ジローオペラ賞新人賞を受賞。新国立劇場開場記念『ローエングリン』伝令、二期会『タンホイザー』ヴォルフラム、新国立劇場『青ひげ公の城』表題役、『サロメ』ヨカナーン等数々のオペラで喝采を浴びる。コンサートにおいてもN響始め多くのオーケストラと共演、サヴァリッシュ、ロジェストヴェンスキー、アシュケナージ、デュトワ、チョン・ミョンフン等世界的指揮者から信望を得、特にマーラー『さすらう若人の歌』では小林研一郎指揮のもと他に比肩するものがない。新国立劇場『魔笛』パパゲーノ役で出演中に世界的オペラ演出家兼舞台美術家であるハンペ氏より「生まれながらにしての舞台人」と称賛される。聖徳大学大学院博士課程論文「グスタフ・マーラーの音楽におけるやわらかいリズム」により博士号取得。聖徳大学音楽学部講師。二期会会員。

 

篠田昌伸 Masanobu Shinoda◉ピアノ

東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院修士課程修了。これまでに作曲を尾高惇忠、土田英介、ピアノを播本枝未子、大畠ひとみの各氏に師事。第22、27回日本交響楽振興財団奨励賞。第74回日本音楽コンクール作曲部門第1位。第1回イタリア文化会館日本国内作曲コンクール審査員特別賞。第9回佐治敬三賞。2006年just composed in YOKOHAMA委嘱作曲家。2011年武生国際音楽祭、2014年JFCアジア音楽祭in横浜にて作品が招待される。複数の作曲家グループ(NEXT、Cue、クロノイ・プロトイ)に参加し作品を発表する他、ピアニストとしても新作初演や伴奏等に多く関わっている。ピアノ曲《炭酸》が全音楽譜出版社にて出版。東京音楽大学、国立音楽大学、尚美ミュージックカレッジ専門学校、日大藝術学部、非常勤講師。 https://ballad-filter.jimdofree.com

 

ヨシダダイキチ Daikichi Yoshida◉シタール

1996年よりDebashish sanyal氏からインド音楽/シタールを学ぶ。2006年よりインドで唯一のシタールの流派7代目・Ustad Shujaat Khanに師事。ハビタット・センター、インターナショナル・センター、エピセンター、プラチーン・カラ・ケンドラホール、在インド・ジャパン・ファンデーション、在インド日本大使館などのインド各地や中国、台湾、韓国、カナダ、アメリカなど国内外で公演。ボアダムス・YOSHIMIOとのユニット「saicobab」等で活動。saicobab「SAB SE PURANI BAB」が「2017年聴くべきアルバムtop15(米rolling stone)」「2017top27(英wire)」に選ばれる他、多数のアルバムを国内外のレーベルからリリース。UA等に楽曲提供他、CM、映画、アニメ等でも演奏。夜タモリ、題名のない音楽会、ムジカ・ピッコリーノ等に出演。アルナングシュ・チョウドリー、アビマン・カウシャル、Pt サンディップ・バッタチャリア、マタプラサド・ミシュラ、アリフ・カーン、スガト・ナグ、Pt デバシーシ・バッタチャリア他と共演。 http://www.yoshidadaikiti.net

 

及川夕美 Yumi Oikawa◉ピアノ

東京芸術大学附属高校及び同大学ピアノ科を卒業。在学中より現代作品の演奏活動を開始し、97 年の日本現代音楽協会主催演奏コンクール〈競楽〉で第3 位受賞。2001 年には東京でジョン・ケージ作品を中心とするリサイタルを開催、自身によるプリパレーションで『ソナタとインタリュード』を全曲演奏し、各方面より好評を得る。アンサンブル東風、アンサンブルコンテンポラリーα のメンバーとして、ACL 音楽祭バンコク大会、日本ミャンマー交流演奏会、女性作曲家連盟音楽祭、大邱国際現代音楽祭、韓国トンヨン音楽祭、ソウル国際電子音楽祭、オランダガウデアムス現代音楽週間など多くの音楽祭に招待されている。日仏現代音楽協会会員。

https://ensemblekochi.wixsite.com/website

 

山根明季子 Akiko Yamane◉作曲

作曲家。1982年大阪生まれ。京都市立芸術大学大学院修了、現在相愛大学非常勤講師。日本を拠点に、現代社会における過剰な消費や幼児性を、自らの皮膚感覚を通して音一音、或いは持続の質感に落とし込むことで問いかけている。主な作品に琵琶とオーケストラのための《ハラキリ乙女》(サントリーサマーフェスティバル/ワルシャワの秋)、《水玉コレクション No.6》(Music Tomorrow)、《イルミネイテッドベイビー》(出版ショット・ミュージック社)等がある。作曲活動の他に、「東京現音計画#10」では消費社会をテーマに公演監修、京都では持続音による10時間のソーシャルインスタレーション「ハーモニーの部屋」企画、美術館等でのパフォーマンスや、アミューズメント空間のフィールドレコーディング活動も行なっている。

 

渋谷由香 Yuka Shibuya◉作曲

1981年京都生まれ。東京藝術大学、同大学院で作曲を学ぶ。大学院では主に非平均律による微分音程に関心を持ち、音楽的資源としての微分音程の使用法について研究、東京藝術大学大学院博士後期課程を修了、博士号取得。第19回京都芸術祭新人賞、第28回現音作曲新人賞入選、富樫賞、聴衆賞受賞。作品は、個々の音や音同士の関係性によって象られていくような時間のあり方について探究した作品が多く、国内外で演奏されている。これまでに、作曲を藤井園子、野田暉行、尾高惇忠、小鍛冶邦隆、近藤譲の各氏に師事。現在、東京藝術大学及び音楽学部付属音楽高等学校非常勤講師。

 

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これまでの両国アートフェスティバルはこちら!
第1回 http://www.monten.jp/2015RAF
第2回 http://www.monten.jp/RAF2
第3回 http://www.monten.jp/RAF3
第4回 http://www.monten.jp/RAF4
第5回 http://www.monten.jp/RAF5

 

 

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※特記なき場合、開場は開演の30分前です。
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