未来に受け継ぐピアノ音楽の実験〜【第4回】ジョン・ケージ/プリパレーション2

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ワークショップのプロモーションビデオはこちら!

https://www.youtube.com/watch?v=xTpP4MGYeq4

 

 

 

「未来に受け継ぐピアノ音楽の実験」プロジェクトについて

 

今日の音楽表現の拡張、多様化に伴い、様々な新しいピアノの”特殊奏法”が試みられてきました。弦を直接奏したり、弦に物を挟み込んだり、響板を叩いたりするそうした奏法は、その表現上の必然性にもかかわらず、実現する環境が限られています。 本プロジェクトは、この「特殊奏法問題」について、音楽家、研究者、ホール運営者が一つのテーブルに集い、3年間をかけて「ワークショップ、演奏会、作品委嘱」「特殊奏法を用いるピアノ作品のリサーチ」「ホールの現状調査、ピアノ管理指標提言」等を行い、合わせてシンポジウムでの発信、資料のアーカイヴ化を行います。 なお本プロジェクトは、2018〜2020年の3年間、東京芸術文化創造発信助成【長期助成プログラム】事業として、アーツカウンシル東京の助成を受けて展開します。ホールという場の特性を生かしながら、ピアノ音楽の実験を未来に受け継ぎ、新たな音楽創造の活性化に貢献することを目指します。

 

 

 

■プロジェクト企画:伊藤祐二、井上郷子、 黒崎八重子、庄野 進

■ワークショップ・ゲスト講師:篠田昌伸、三浦明道

■ワークショップ・客演:工藤あかね

(以上五十音順)
期間:
オープニングイベント:2018年10月13日|土|14:00〜

第1期ワークショップ:2018年10月14日|日|〜2019年3月17日|日|全6回

 

 


ワークショップ 参加者募集

定員に達しましたので受講生の募集は終了しました。(9/16付)

聴講について、この回については定員に達しましたので受付を終了しました。他の回はまだ受付中です。(1/12付)



受講料(税込):

・WS受講(全6回。定員8名) 18,000円

・WS受講(単日) 3,500円

・WS聴講(単日) 1,000円

・オープニング 無料

 

聴講について、この回については定員に達しましたので受付を終了しました。他の回はまだ受付中です。(1/12付)

 

 

申込資格:WS受講は高校生以上で楽譜が読めること。定員を超えた場合、全6回参加者を優先します。WS聴講はどなたでも参加できます。

申込方法:メールあるいはFAXにて、下記を記載してお送りください。

・氏名・住所・連絡先電話番号 ・メールアドレス ・応募動機

 

申込先・問い合わせ:両国門天ホール

メールticket@monten.jp、FAX 03-6666-9491、電話03-6666-9491(火曜日休館)
主催:一般社団法人もんてん

協力:nothing but music、ナヤ・コレクティブ

後援:日本現代音楽協会

助成:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)

 

 

*   *   *

 

【スケジュール】

2018年10月13日(土)14:00〜17:00

オープニングイベント・シンポジウムとミニコンサート

登壇◉井上郷子、伊藤祐二、庄野進、黒崎八重子

【シンポジウム】本プロジェクトの説明と特殊奏法をめぐるトーク。

【ミニコンサート】

出演:井上郷子

演奏曲:ジョン・ケージ《孤島の娘たち》(1945) 、高橋 渓太郎《嶺谺》(2014)他

 

 

特殊奏法(拡張された奏法 extended piano technique)をめぐるワークショップ・第1期(基礎編)

 

2018年10月14日(日)14:00〜17:00

第1回 楽器を知る、聴取を知る、可能性を知る

ピアノの構造の理解、倍音を聴き分ける体験や様々な特殊奏法の体験を通じて、ピアノにおける特殊奏法の持つ意味、その必然性、可能性を理解する。今期のワークショップで扱う内容と曲を一通り紹介。

講師:井上郷子、伊藤祐二、三浦明道、篠田昌伸

 

2018年11月18日(日)14:00〜17:00

第2回 先駆者ヘンリー・カウエルに学ぶ/内部奏法

ピアノの特殊奏法の先駆者、ヘンリー・カウエル(1897〜1965)の作品を通して、特殊奏法の様々なあり方を学ぶ。ひじ全体を使って、しかし正確に演奏する鍵盤上でのクラスター奏法、弦のピツィカート、弦のグリッサンド、弦を指でミュートしながら打鍵する奏法等。

講師:井上郷子、伊藤祐二、三浦明道 他

予定曲:ヘンリー・カウエル《エオリアン・ハープ》《バンシー》《マノノーンの潮流》《不吉な響き》等

 

2018年12月9日(日)14:00〜17:00

第3回 ジョン・ケージ/プリパレーション1

ジョン・ケージ(1912〜1992)の作品を通じて、プリパレーションの基礎を学び、プリペアドピアノが持つ作曲上の意味を考える。

講師:井上郷子、伊藤祐二、三浦明道

予定曲:ジョン・ケージ《季節はずれのバレンタイン》《アモーレ》等

 

2019年1月13日(日)14:00〜17:00

第4回 ジョン・ケージ/プリパレーション2、その他の拡張された奏法例

1つの曲に対して、異なった複数のプリパレーションを試演。さらにケージのその他の特殊奏法の試演を行う。

講師:井上郷子、伊藤祐二、三浦明道、工藤あかね 他

予定曲:ジョン・ケージ《18の春を迎えた陽気な未亡人》等

 

2019年2月3日(日)14:00〜17:00

第5回 もう一人の先駆者、ジョージ・クラムの場合

ジョージ・クラム(1929〜)の作品における、特殊奏法を学ぶ。

講師:井上郷子、伊藤祐二、三浦明道、篠田昌伸

予定曲:ジョージ・クラム《マクロコスモス第2集》

 

2019年3月17日(日)14:00〜17:00

第6回 まとめとWS参加者によるコンサート

録画、録音をまじえてここまでのワークショップを総括して報告し、将来へ向けて問題提起を行う。ワークショップ受講生による実演も!

講師:伊藤祐二、井上郷子、三浦明道

出演:ワークショップ受講生

 

 

*   *   *

プロフィール(五十音順)

 

伊藤祐二(作曲):東京学芸大学大学院作曲科修了。1978年~91年、作曲同人 “Group For” で活動。同年以来、ヨーロッパを中心とした各地で作品が演奏され、日本の現代音楽についての講義、自作品に関するレクチャーも多い。“nothing but music”ディレクターとして「Hommage à Breccia」 「4 days concerts and Symposium(コンサートとシンポジウムの4日間 ~ スイスの現代音楽シーン)」「ラフカディオ・ハーンプロジェクト」等、国際的な演奏会の企画制作を手掛け、International Composer Competition “Città di Udine”(伊) の審査員も務めた。“Antonio Magnoni ” prize受賞。

 

井上郷子(ピアノ): 東京学芸大学大学院作曲科修了。「ムジカ・プラクティカ・アンサンブル」のメンバーを経て、91年よりソロ活動。“Satoko Plays Japan”をはじめとする多くのリサイタルを行ない、近藤譲ピアノ作品・全曲演奏やモートン・フェルドマン作品の演奏等で高い評価を受ける。海外の現代音楽祭から度々招聘され、ヨーロッパ、南北アメリカ、中東各地でソロリサイタル、マスタークラスの講師も務める。ソロCDアルバムとして、HatHut Records(スイス)等より計6タイトルが出版。第10回佐治敬三賞受賞。現在、国立音楽大学教授。

 

黒崎八重子(ホールマネージメント) :東京建設自労会館の竣工にあたり、1989年門仲天井ホール支配人となり、ホール運営・管理・企画を担当。1993年、ピアニストの要望を受け「門天ホールにピアノを贈る会」を発足。募金運動によりスタンウェイピアノを購入し、ベテランから新鋭まで多彩な演奏家のコンサートを企画。2013年9月、門仲天井ホールの閉館に伴い、多くの方々の志の象徴である門天のスタンウェイピアノを次の世代に繋ぐべく、法人を設立して両国にホールを移転、両国門天ホールを開館させる。一般社団法人もんてん(両国門天ホール)代表理事。

 

庄野 進(音楽研究): 1948年生。東京大学人文系大学院博士課程単位取得満期退学。東京大学助手、玉川大学講師等を経て、国立音楽大学教授、理事長・学長を勤める。現在同名誉教授。博士課程在学中より、ジョン・ケージおよび、実験音楽の研究で注目を集め、雑誌「現代思想」「エピステーメー」等への寄稿多数。著書に『聴取の詩学—J・ケージから、そしてJ/ケージへ』『音へのたちあい―ポストモダン・ミュージックの布置』等がある。

 

篠田昌伸(作曲・ピアノ): 東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院修士課程修了。 第74回日本音楽コンクール作曲部門第1位、第9回佐治敬三賞等受賞。 06年just composed in YOKOHAMA委嘱作曲家、 11年武生国際音楽祭、14年JFCアジア音楽祭in横浜、にて作品が招待される。複数の作曲家グループ(NEXT、Cue、クロノイ・プロトイ)に参加し作品を発表する他、ピアニストとしても、新作初演や伴奏等に多く関わっている。

 

三浦明道(調律): 高校の体育館で初めてピアノの調律をしているのを見ました。この事が調律師になるきっかけです。日本楽器ピアノ技術学校で学び、横浜のヤマハピアノ特約店に就職しました。友人のピアノの先生に「もっと上手な調律を見た方がいい。」、とアドバイスされ紹介されたのが、故鶴田昭弘氏です。後、松尾楽器商会に入社するきっかけになりました。1990年に3ヵ月間Hamburgにあるスタインウェイの工場で整調、整音を勉強しました。現在はフリーランスの調律師で活動しています。

 

工藤あかね(ソプラノ) :東京藝術大学卒業。これまでにサントリー芸術財団「サマーフェスティバル」、「Tokyo experimental Festival」での無伴奏リサイタル、テッセラ音楽祭「グレの歌」などに出演。新作初演のほか、ヴィエルヌ「憂鬱と絶望」やシュルホフ、ウルマン作品の蘇演、サティ「ソクラテス」、シェーンベルク「架空庭園の書」、メシアン「ハラウィ」などを手がけている。第一回一柳慧コンテンポラリー賞受賞。

 

*   *   *

 

そのほかのプロジェクト

 

ピアノ特殊奏法(拡張された奏法)作品リサーチ

ピアノ特殊奏法(拡張された奏法)がもたらす楽器の保守、ホールの対処の問題を明らかにするために、特殊奏法の広がりとその意義を調査する。そのために、1) 先行する研究を調査し、特殊奏法の広がりとそれらが目指したものを明らかにするための研究会を行う、2)それと平行し、ピアノ特殊奏法を用いた作品のアーカイヴを作成するための資料収集を行う。

 

ピアノ管理指標提言

ピアノ特殊奏法(拡張された奏法)をめぐる問題点について明らかにし、日本のホールでのピアノ管理指標を提言することを目的に、まずはピアノ使用・管理の実態調査のため、ホール・アーティストを対象にしたアンケートの項目について検討する。

 

 

 

 

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