「未来に受け継ぐピアノ音楽の実験」コンサート【Bプログラム】

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満席につきすべての公演の限定入場の予約受付は終了いたしました。(1/16付)

 

本プロジェクトでは、これからの日本を牽引する 21 人の作曲家に、“ピアノの特殊奏法を含む新作” を委嘱しました。その全曲を、3日間のコンサートでお届けします。

今日の音楽表現の拡張、多様化に伴い、様々な新しいピアノの“特殊奏法”が試みられてきました。弦を直接奏したり、弦に物を挟み込んだり、ブレイスバーを叩いたりするそうした奏 法は、その表現上の必然性にもかかわらず、実現する環境が限られています。 本プロジェクトでは、2018年より、この「特殊奏法問題」について、音楽家、研究者、ホール運営者が一つのテーブルに集い、「ワークショップ、演奏会、作品委嘱」「特殊奏法を用いるピアノ作品のリサーチ」「ホールの現状調査、ピアノ管理指標提言」等を行い、合わせて作曲家、ホール管理者、調律師、各座談会での発信、資料のアーカイヴ化を行ってきました。

これらの活動の中で、演奏家や学生が特殊奏法を含む作品を切望しているにもかかわらず、ホールでの演奏の可能性がとても少ないがゆえに、それをあきらめ、作曲家は、作品中に特殊奏法を使用することを避け、その可能性の開拓を我慢している状況であることも浮かび上がってきました。

こうした状況を踏まえ、本プロジェクトでは、どのような運用によれば、特殊奏法を含む作品のコンサート上演が可能になるかを実証するために、また、そこにどれほど素晴らしい表現の可能性があるのか、その一端を垣間見るために、このコンサートを企画しました。

新たな特殊奏法を含む楽曲が生まれ、演奏され、ホールという場の特性を生かしながら、ピアノ音楽の実験を未来に受け継ぎ、新たな音楽創造の活性化に貢献することを目指します。

なお本プロジェクトは、アーツカウンシル東京の「東京芸術文化創造発信助成【長期助成プログラム】(芸術創造環境の向上に資する活動)」の助成を受け2018年より実施しています。

 

 

【Aプログラム】

1月17日(日)開演16時(開場15分前)

演奏:藤田朗子、榑谷静香、井上郷子(ピアノ)

プログラム:

木下正道:プリペアドピアノのための「無名の歌Ⅲ」

たかの舞悧:マージナル〜プリペアドピアノとスーパーコライダーのための

(スーパーコライダー:たかの舞悧  エレクトロニクス:磯部英彬)

田中聰:Silent Pulse

田村文生:花

渡辺俊哉:交差する眼差しⅡ

後藤天: 事の森

黒田崇宏:Fragment for prepared piano

 

 

【Bプログラム】

1月23日(土)開演16時(開場15分前)

演奏:榑谷静香、篠田昌伸、井上郷子(ピアノ)

プログラム:

山本裕之:相対性カノン

川島素晴:Vibra-pfone

飛田泰三:of rain

鶴見幸代:すもうハノン第二集

篠田昌伸:ATONALUMORI for Piano and 3 players

山本哲也:宙吊りの色彩

金ヨハン:a embodied “piano” for 1 piano and 3 voices

 

 

【Cプログラム】

1月24日(日)16時開演(開場15分前)

演奏:篠田昌伸、井上郷子(ピアノ)

プログラム:

鈴木治行:揺り返し

田中吉史:attack, decay, resonance for piano

中野和雄:かすかなものと

伊藤祐二:エーコーの森

渋谷由香:Found Overtone

星谷丈生:Platycodon

伊藤彰:文体練習

 

 

限定入場料金(10人限定・要予約): 一般3,000円、会員・学生2,500円

満席につきすべての公演の限定入場の予約受付は終了いたしました。(1/16付)

問い合わせ:両国門天ホール

電話/FAX:03-6666-9491(火曜日休館)

メール:ticket@monten.jp (@は半角に直してください)

・定員に達し次第受付を終了します。

・予約時にご案内する新型コロナウィルス感染症対策へのご協力をお願いします。

★配信については後日詳細をお知らせします。

 

主催:一般社団法人もんてん

協力:nothing but music、ナヤ・コレクティブ

後援:日本現代音楽協会

助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、芸術文化振興基金助成事業、すみだ文化芸術活動助成金

収録:Gok Sound、株式会社わっしょい

 

 

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経歴

井上郷子 (Satoko Inoue)

「ムジカ・プラクティカ・アンサンブル」のメンバーを経て1991年よりソロ活動。”Satoko Plays Japan”をはじめとする多くのリサイタルを行ない、近藤譲ピアノ作品・全曲演奏やモートン・フェルドマン作品の演奏等で高い評価を受ける。海外の現代音楽祭から度々招待され、ヨーロッパ、南北アメリカ、中東各地でソロリサイタル、マスタークラスの講師も務める。ソロCDアルバムとして、HatHut Records(スイス)等より7タイトルが出版。「未来に受け継ぐピアノ音楽の実験」ワークショップで講師を務める。第10回佐治敬三賞受賞。東京学芸大学大学院作曲科修了。国立音楽大学教授。

 

藤田朗子 (Akiko Fujita)

ピアニスト。東京藝術大学音楽学部器楽科、パリ国立高等音楽院伴奏科、同音楽院第三課程室内楽科卒業。ソロの他、各地の講習会等で公式伴奏をつとめ、室内楽・新曲初演で国内外の演奏家と共演、CD録音に参加。現代音楽セミナー「秋吉台の夏」、軽井沢国際音楽祭、両国アートフェスティバル等に出演。東京藝術大学ソルフェージュ科及び共立女子大学講師。日本ソルフェージュ研究協議会理事。

 

篠田昌伸 (Masanobu Shinoda)

東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院修士課程修了。第74回日本音楽コンクール作曲部門第1位、第9回佐治敬三賞等受賞。 06年just composed in YOKOHAMA委嘱作曲家、 11年武生国際音楽祭、14年JFCアジア音楽祭in横浜にて作品が招待される。複数の作曲家グループ(NEXT、Cue、クロノイ・プロトイ)に参加し作品を発表する他、ピアニストとしても、新作初演や伴奏等に多く関わっている。

 

榑谷静香 (Shizuka Kuretani)

東京都出身。東京音楽大学ピアノ演奏家コース卒業。2006年、Ensemble-Akademie Freiburg参加。古典作品から新作まで幅広く演奏活動を行う。近年は同時代の作曲家たちとの企画にも積極的に携わり、録音作品への参加や新作初演を数多く手がけている。ピアノを三谷温、石附秀美、東誠三の各氏ほかに師事。

 

伊藤彰(Akira Ito)1991-

北九州市出身。国立音楽大学大学院修士課程を経て、同大学院後期博士課程を満期退学修了。第33回現音作曲新人賞、併せて聴衆賞を受賞後、交換留学生としてカールスルーエ音楽大学に留学。井上郷子氏や本條秀慈郎氏からの委嘱、アンサンブル・ルシェルシュ×日本現代音楽協会共同プロジェクトへの参加、山田唯雄氏のアルバムに作品が収録されるなど、多方面へと活動を展開している。これまでに作曲を菊池幸夫、北爪道夫、川島素晴、マルクス・へヒトレ、ピアノを井上郷子の各氏に師事。

 

伊藤祐二(Yuji Itoh)1956-

東京学芸大学大学院作曲料修了。1978-91年作曲同人“Group For”で活動。以来、Aspekte Festival(オーストリア)、Festival für aktuelle Klangkunst(ドイツ)など各地で作品が演奏されている。“nothing but music”ディレクターとして 「Hommage à Breccia」「4 days concerts and Symposium(コンサートとシンポジウムの4日間~スイスの現代音楽シーン)」「ラフカディオ・ハーンプロジェクト」等、国際的な演奏会の企画制作を手掛け、International Composer Competition ’’Citta dl Udine’’(伊)の審査員も務めた。Antonio Magnoni Prize受賞。

 

川島素晴(Motoharu Kawashima)1972-

東京芸術大学及び同大学院にて作曲を近藤譲、松下功に師事。1992年秋吉台国際作曲賞、1996年ダルムシュタット・クラーニヒシュタイン音楽賞、1997年芥川作曲賞、2009年中島健蔵音楽賞、2017年一柳慧コンテンポラリー賞等を受賞。テレビ番組「タモリ倶楽部」、「題名のない音楽会」等に解説者として登壇。いずみシンフォニエッタ大阪プログラムアドバイザー。(一社)日本作曲家協議会副会長。国立音楽大学准教授。

 

木下正道 (Masamichi Kinoshita) 1969-

1969年、福井県大野市生まれ。吹奏楽とハードロックの経験の後、東京学芸大学で音楽を学ぶ。フリージャズや集団即興、お笑いバンド活動なども行う。武満徹作曲賞、現音新人賞などに入選。現在は、様々な団体や個人からの委嘱や共同企画による作曲、優れた演奏家の協力のもとでの先鋭的な演奏会の企画、通常とは異なる方法で使用する電気機器による即興演奏、の三つの柱で活動を展開する。

 

金ヨハン(Yohan Kim)1989-

1989年韓国ソウル生まれ、20才の時から作曲家を志し、22才に渡日して現在は国立音楽大学大学院音楽研究科博士後期課程に在学中。ドイツの作曲家マティアス・シュパーリンガーの音楽における形式構造をテーマに修士論文を執筆、博士課程でも同じテーマで研究を続けている。https://www.youtube.com/user/Nosusdecipiosound/

 

黒田崇宏(Takahiro Kuroda)1989-

神奈川県出身。東京藝術大学で作曲を学び、これまでに作曲を井元透馬、松下功、福士則夫、近藤譲、鈴木純明の各氏に師事。現在、グラーツ国立音楽大学修士課程に在籍し、クラウス・ラングに師事。第29回現音作曲新人賞(2012年)、第37回入野賞(2016年)等を受賞。2019年にMusic From Japan Festival 2019の委嘱作曲家の一人としてニューヨークに招待された。

 

後藤天(Ten Goto)1983-

イメージフォーラム付属映像研究所、多摩美術大学映像演劇学科卒業。情報科学芸術大学院大学(IAMAS)修了。足立智美、川崎義博、三輪眞弘、渡辺裕紀子の各氏に師事。2005年頃より実験映画から作品制作を始め、サウンドインスタレーション/パフォーマンスを経て、2011年頃より作曲を開始。2017-2018年現代音楽セミナー秋吉台の夏、2019年3日間のコンポジション・アカデミーを受講。さっきょく塾 塾生。

 

篠田昌伸(Masanobu Shinoda)1976-

東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院修士課程修了。第74回日本音楽コンクール作曲部門第1位、第9回佐治敬三賞等受賞。06年just composed in YOKOHAMA委嘱作曲家、11年武生国際音楽祭、14年JFCアジア音楽祭in横浜にて作品が招待される。複数の作曲家グループ(NEXT、Cue、クロノイ・プロトイ)に参加し作品を発表する他、ピアニストとしても、新作初演や伴奏等に多く関わっている。

 

渋谷由香(Yuka Shibuya)1981-

1981年京都生まれ。東京藝術大学、同大学院で作曲を学ぶ。東京藝術大学大学院博士後期課程を修了、博士号取得。第19回京都芸術祭新人賞、第28回現音作曲新人賞入選、富樫賞、聴衆賞受賞。武生国際音楽祭(福井)、Quatour Bozziniとの日加交換プロジェクト(東京⇄モントリオール)、Thin Edge New Music Collective 2019season concert(トロント)、Music From Japan(NY)などに参加。東京藝術大学、東京大学、東京藝術大学音楽学部付属音楽高等学校各非常勤講師。

 

鈴木治行(Haruyuki Suzuki)1962-

東京出身。1995年、《二重の鍵》が第16回入野賞受賞。1997年、衛星ラジオ「Music Bird」にて鈴木治行特集放送。これまでにガウデアムス国際音楽週間、サンタマリア・ヌオヴァ音楽祭、Experimental Intermediaなどに招待。2016年「Music From Japan」参加。他ジャンルとのコラボレーションにも関心を持ち、演劇、美術、映像などとの共同作業を行っている。

 

たかの舞悧(Mari Takano)

桐朋学園大学作曲科卒業後、国立フライブルク音楽大学大学院でB・ファニハウ教授に、その後ハンブルク音楽大学大学院でG・リゲティ教授に作曲を師事、修士修了。師リゲティとの出会いにより、独自のオリジナリティーによる作風を発展、確立。委嘱作品も多く、作品は国内外で演奏されている。作品集CD「Women’s Paradise」と「LigAlien」をBIs社よりリリース。現在、桐朋学園芸術短期大学、文教大学講師。

 

田中聰(Satoshi Tanaka)1956-

1956年、北海道生まれ。東京音楽大学作曲科卒業、同大学研究生修了。湯浅譲二、浦田健次郎、池辺晋一郎の各氏に師事。1984年、オランダ国際ガウデアムス現代音楽週間入選。1988年、第9回入野賞受賞。2004年、ACC 日米芸術交流プログラムの招聘により渡米、ニューヨーク、サンフランシスコに滞在。2013年、CD「Works for Piano」(E-112)がスペインEMECからリリ-ス。作品はソニックアーツから出版されている。

 

田中吉史(Yoshifumi Tanaka)1968-

1968年生まれ。独学で作曲を始め、1994-5年にChaya Czernowinに師事。1988年と89年に現音作曲新人賞入選。1990年より作曲家グループ”TEMPUS NOVUM”のメンバーとして活動。1996年に秋吉台国際作曲賞を授賞。これまで器楽や声楽作品を中心に手がけてきた。近作に、楽器演奏する際の身体的制約に注目した独奏曲、既存の音楽作品から素材を抽出した作品、人間の話し声の録音に基づく「発話移植計画」シリーズなどがある。

 

田村文生(Fumio Tamura)1968-

東京藝術大学大学院およびロンドン・ギルドホール音楽院大学院修了。これまで に作品がアジア音楽祭、東京の夏音楽祭、ISCM(香港)、オデッサ国際現代芸術祭、ボローニャ・アンジェリカフェスティバル等で演奏されているほか、ヴァレンティノ・ブッキ国際作曲コンクール、文化庁舞台芸術創作奨励特別賞、朝日作曲賞、国立劇場作曲コンクール等に入選・入賞。東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科准教授。日本管楽芸術学会理事。

 

鶴見幸代(Sachiyo Tsurumi)1976-
茨城県坂東市出身。東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。コンサート音楽、合唱、映画音楽、伝統音楽の現代風編曲などを手がける。鶴見幸代作品集CD「eu canto..」をリリース(fontec)。日本相撲聞芸術作曲家協議会(JACSHA/ジャクシャ)理事。第3回両国アートフェスティバル2017「ぶつかりピアノ両国門天場所」芸術監督。琉球古典音楽野村流保存会教師。坂東市にて「サチ音楽教室」を運営。

 

中野和雄(Kazuo Nakano)1955-
1955年 名古屋市出身。作曲を松平頼暁に師事。数理的な手法を用いた作曲法について学ぶ。近藤譲、高橋悠治、戸島美喜夫からも作曲や音楽のあり方について学ぶ。1978年に、作曲家 伊藤祐二、湯浅誠一、関口昌樹とgroupFORを結成。90年までに11回の作品展を企画・開催。90年に、コジマ録音にてCD『作曲の自由』を制作・発売。2015年より作品発表活動を再始動。2017年12月に連作「些細の音楽」を中心とする作品個展を、2020年2月に「軽みに遊ぶ」をコンセプトとした2回目の作品個展を企画・開催。

 

飛田泰三(Taizo Hida)1972-
1972年生。京都市立芸術大学音楽学部卒業後、松平頼暁氏に師事。第18回入野賞、ガウデアムス音楽週間にオーケストラ、室内楽の2作品が同時入選。2015年個展。

 

星谷丈生(Takeo Hoshiya)1979-
東京藝術大学作曲科及び、博士課程音楽領域研究科修了、博士号取得。国内外で作品を発表する他、音楽団体「庭園想楽」やクラリネット奏者、菊地秀夫とのユニット「Officeでく」、多井智紀とのユニット「時の形プロジェクト」等で活動している。

 

山本哲也(Tetsuya Yamamoto)1989-
1989年長野県生まれ。国立音楽大学大学院を修了後に渡仏、マルセイユ地方音楽院上級課程、リヨン国立高等音楽院修士課程を修了。これまでに第14回オルレアン国際ピアノコンクールA.シュヴィロン=Y.ボノー作曲賞、第13回F.エスクデロ国際作曲コンクール第1位、Île de créations 2018優勝、第6回A.ドヴォルザーク国際作曲コンクール第1位、第27回現音作曲新人賞などを受賞。パリ在住。

 

山本裕之(Hiroyuki Yamamoto)1967-
1967年生まれ、神奈川県出身。武満徹作曲賞第1位(2002)、第13回芥川作曲賞(2003)。作品は日本、ヨーロッパ、北米等を中心に演奏されている。1990年より作曲家集団《TEMPUS NOVUM》に参加、2002年よりピアニスト中村和枝氏とのコラボレーション《claviarea》を行うなど、様々な活動を展開している。現在、愛知県立芸術大学教授。http://bit.ly/yamamotocomp

 

渡辺俊哉(Toshiya Watanabe)1974-
東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。同大学大学院修士課程作曲専攻修了。1999年度武満徹作曲賞第3位(審査員:ルチアーノ・ベリオ)、第9回佐治敬三賞受賞など。ミュージック・フロム・ジャパン (2012) 、HIROSHIMA HAPPY NEW EAR (2013)、その他、様々なアンサンブルや演奏家から委嘱を受けている。2020年3月に、作品集「あわいの色彩」(ALCD-122)のCDがコジマ録音より発売され、各誌で高い評価を得た。現在、国立音楽大学准教授、東京藝術大学、明治学院大学各講師。http://composerworklist.wixsite.com/composerworklist/toshiya-watanabe

 

 

 

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