第1回 両国シネマ天丼2017:ジョキング渡り鳥、チリの闘い三部作、小田香監督トーク
4/29/土


下町・両国を舞台に新しい映画祭がスタートします。その名も「両国シネマ天丼」!
第1回のプログラム・ディレクターとして映画作家・宮岡秀行を迎えます。「音楽・文学・踊り」をテーマとしたドキュメンタリー映画に定評のある宮岡氏のセレクションによる、ワークショップで制作された作品、芸術の制作現場のドキュメンタリーの映画上映と、関連パフォーマンスを9日間に渡り繰り広げます。
プログラム・ディレクター:宮岡秀行
【スケジュール】
【映】11:00~
「ジョキング渡り鳥」(2015/157分)
監督/鈴木卓爾
映画美学校アクターズ・コース第1期高等科「ロケ合宿実践講座」作品
見ている人を見ることはできるが、音を聞いている人を聞くことはできない…そんな経験を促す奇怪な映画。内と外、深さと平板さ、撮る人と撮られる影、足音とマイクロフォンのあいだの差異がなくなるこの極薄さ(アンフラマンス)の地帯にこそ、この偉大なエピクロス的な映画作家・鈴木卓爾は住んでいる。
ありそうもないほど膨張させると、映画に何が起こるか?本作は最も長い映画ではなく、最も快い部分に充ちた不均衡なまでの膨大な時間のフィクションであり、でてくるモコモコ星人にとっては東日本大震災とは切り離せないあの春のドキュメントでもある。2011年から2014年までの、日本在住の民がもっとも緊張し、自分自身だった絶後が写った、地球年代記の最高傑作。(宮岡秀行)
https://joggingwataridori.jimdo.com
【映】14:00~
「チリの闘い 三部作〜第一部ブルジョワジーの叛乱」(1975年/96分)
製作・監督・脚本:パトリシオ・グスマン
1973年3月におこなわれた議会選挙における左派(人民連合)の予期せぬ勝利に続く、右派による攻勢の激化を検証する。議会制民主主義がアジェンデの社会主義政策を阻止できないことを思い知った右派は、その戦略を国民投票から街頭闘争へと転換する。この第一部は、右派が政府を弱体化して危機的状況を引き起こすために、デモやストライキの扇動から暴動、そしてテロへとその暴力的戦術をさまざまに駆使する様子、そしてついには軍部がクーデター未遂事件を引き起こすまでの数か月間を追う。
【映】15:45~
「チリの闘い 三部作〜第二部クーデター」(1976年/88分)
製作・監督・脚本:パトリシオ・グスマン
第二部は、第一部の終盤に登場した1973年6月29日のクーデター未遂事件で幕を開ける。この「クーデター未遂」は、軍にとって有益な予行演習となったことは明らかであり、「本番」がおこなわれるのは時間の問題だと誰もが認識しはじめた。左派は戦略をめぐって分裂し、一方右派は着々と軍による権力掌握の準備を進める。最終的に73年9月11日の朝にクーデターが実行に移され、大統領府は軍による爆撃を受け破壊される。アジェンデはラジオを通じてチリ国民に向け演説をした後、自殺と思われる死を遂げる。同じ日の夜、アウグスト・ピノチェトを議長とする軍事評議会のメンバーがテレビ出演し、新たな軍事政権の発足を宣する。
【映】17:25~
「チリの闘い 三部作〜第三部民衆の力」(1976年/79分)
製作・監督・脚本:パトリシオ・グスマン
平凡な労働者や農民が協力し合い、”民衆の力”と総称される無数の地域別グループを組織してゆく姿を追う。彼らは食糧を配給し、工場や農地を占拠・運営・警備し、暴利をむさぼる闇市場に対抗し、近隣の社会奉仕団体と連携する。こうした活動は、まず反アジェンデ派の工場経営者や小売店主や職業団体によるストライキへの対抗手段として始められたものだった。やがて”民衆の力”は、右派に対し決然たる態度で臨むことを政府に要求する、ソビエト型の社会主義的組織体へと徐々に変質してゆく。
★小田香監督トークあり!
料金:【映】映画 各1000円(税込)
門天会員:各1割引
主催:一般社団法人もんてん(両国門天ホール)
予約・お問い合わせ:両国門天ホール
電話/FAX: 03-6666-9491(電話は平日の13:00〜17:00)
メール:ticket@monten.jp(@は半角に直してください)