オルトペラの世界 vol.2 ~カバレット 夏〜「女の一生」

#2omote#2

 

<前口上>

オルト・ミュージックと両国門天ホールの共同企画制作による「オルトペラの世界」。今年度はカバレットをお届けしていますが、第二回目となる七月は、高瀬まこりん麻里子さんといっしょに、いろいろな女性の生き様を描いてみたいと思います。題して「女の一生」。歌って踊って芝居もできる、稀有な才能の持ち主のまこりんの七変化が見られるや否や?!ご期待ください!

 

出演:

高瀬まこりん麻里子(歌手)

黒田京子(音楽家)

 

料金:全席自由

前売3000円、当日3500円、門天会員 2700円(税込)

 

予約・問い合わせ:

ORTMusic(黒田) kkyoko@ortopera.com

両国門天ホール ticket@monten.jp、tel&fax 03-6666-9491(電話は平日の13時〜17時)

 

主催:ORTMusic、両国門天ホール

 

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深夜、露天風呂のお湯に浸かり、雲に霞む満月の光を浴びながら、「ああ、メロンちゃんは永久に不滅だわ」と呟く。

2010年秋、かつて門仲にあった天井ホールで行った『いとおしくカバレット』で、メロンちゃんは華々しくデビューした。メロンちゃんの淡い恋の話はそれまで朗読されることはあったものの、まこりん自身がメロンちゃんになって物語られるのは初めてのことだった。百均で買ったという、ちょうどいい色合いの腹巻と、どこにでもあるストローでできたメロンのかぶりものは、まこりんの創意工夫によるものだ。その雰囲気があまりにも可愛く、以降、このメロンちゃんには今でも多くのファンがいる。

さて、では、今回のカバレットでは何をやりましょう?

くろりん「女の一生、なんて、どうかしら?」

まこりん「それならば、モーパッサン」

くろりん「いやいや、やっぱり杉村春子、でしょう?」

まこりん「或る女、っていうのも聞いたことがあるような」

くろりん「ああ、軽井沢で人妻と情死した、白樺派・有島武郎の小説のタイトルね」

まこりん「っていうか、かぐや姫や白雪姫とか、お姫様シリーズ、っていうのもやりましたよね」

くろりん「そうそう、実は最近知ったのだけれど、『竹取物語』は、かぐや姫が言い寄る男たちに無理難題をふっかけて、最後は帝まで出てくるんだけど、とにかくどんどん男を振るお話だったのね」

まこりん「ああ、美しきことは罪深きことかな」

くろりん「そういえば、私、大昔に、新宿ピットインで、シンセサイザーを演奏しながら、『金輪』(かなわ/能楽)を謡ったことがあったわ」

まこりん「それ、何ですか?」

くろりん「自分を捨てて後妻を娶った亭主を恨んで丑の刻参りをする、こわ~い女の嫉妬の話よ」

まこりん「突然ですが、それより時代はチェブラーシカ」

くろりん「違うわ、なんてったって、ふなっしー」

まこりん「は、は、はまってるんですかあ?」

くろりん「うん、そうなっしー」

まこりん「・・・」

くろりん「あ、ごめん、やっぱり、メロンちゃんだよね」

というような、支離滅裂な会話から、さてはて、いったいどんな世界が展開されるでしょう?

それは、来てからのお楽しみ!生きるよろこび、たのしさ、かなしみ、いとおしさを、掌(たなごころ)に大切に包みたくなるような、心豊かな一夜にしたいと思っています。みなさまのお越しを心からお待ちしております!

(黒田京子)

 

【プロフィール】

高瀬”makoring” or まこりん 麻里子:

4歳からモダンダンス、絵画、エレクトーンなどのお稽古事をこなす超多忙な幼少時代を経て、中学時代には笑いをとる事が好きな人間へと成長。高校時代は演劇部で活躍、その流れで劇団四季に入団。皮肉にも15年続けたダンスより、モノマネで鍛えた歌が認められ、初舞台で大役に抜擢された、が結局退団。その後もミュージカルを続けるも、いちいち歌い上げる世界がイヤになり舞台を降りる。改めて、音楽、声、歌に向き合う中、’96より谷川賢作(pf)さん率いる、現代詩を歌うユニット「DiVa」のヴォーカルとなり現在に至る。他、ハモリまくり3女子歌楽坊「トランスパランス」、アカペラ中心の”まこソロ”などのライブ活動、また、角川映画「沈まぬ太陽」、フジ「ニュースJAPAN」、NHK「あまちゃん」など、劇判にも多く起用されている。

 

黒田京子:

東京都府中市生まれ。’80年代後半、自ら主宰した「オルト」では、ブレヒト・ソングを素材に、ジャズだけでなく、演劇やエレクトロニクスの音楽家たちと脱ジャンル的な場作りを行う。’90年以降、坂田明(as)などのバンドメンバーや、演劇や朗読の音楽を長期に渡って務める他、無声映画への音楽提供、ジャズ講座の講師を担当するなど、その活動の幅はたいへん広い。’00年には「オルトペラ・アンサンブル」による音楽劇の公演を行う。’04年から6年間余り、太田惠資(vn)と翠川敬基(vc)のピアノ・トリオで活動。’10年から喜多直毅(vn)と言葉と音楽の実験劇場『軋む音』を不定期に展開。近年は即興演奏を主体とした演奏活動を行っている。’06年、オルト・ミュージックを立ち上げ、コンサートの企画も手掛ける。昨年、ピアノ・ソロのCD『沈黙の声』を発表。

※特記なき場合、開場は開演の30分前です。
※問い合わせ先メールアドレスの@は、小文字に打ち直してください。



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