両国橋のほとりで音楽祭2025
8/2/土〜10/日

門天プロデュース。アーティストとの対話を交えた鑑賞ガイド付きコンサートです。
第一部はアーティスト自身の選曲によるリサイタル。
第二部では学究心と遊び心を充足させる音楽ラジオ番組を担当するパーソナリティ・田中美登里と演奏者による対談。
アーティストへ焦点を合わせ、プログラム構成から本番に至るまでの奏者の思いをインタビューします。
田中美登里:ナビゲーター
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2025年8月2日(土)15:00開演/14:30開場
Day1 Chroma – 光の先へ
選曲・ピアノ 保屋野美和
Chroma の語源である色彩と光をテーマに、ルネッサンスの時代から今日に至るまで400年の時空と国を超えて語りかけてくる作品達を自分史と重ねながら集めました。音楽との旅路を歩いていく先に見えてくる何かを探し続けて、ピアノ音楽の新しい可能性に取り組みます。
第一部 演奏
・一柳慧:雲の表情 I、III(1985)
Toshi Ichiyanagi: Cloud Atlas I,III (1985)
・ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク:ファンタジア・クロマティカ(1592-94)
Jan Pieterszoon Sweelinck: Fantasia Chromatica (1592-94)
・アレクサンダー・スクリャービン:2つの詩曲 op.32 – 第1番(1903)
Alexander Scriabin: Deux poemes op.32-1 (1903)
・アレクサンダー・スクリャービン:ピアノソナタ第9番 黒ミサ 変ホ短調 op.68(1913)
Alexander Scriabin: Piano Sonata No.9 “Messe noire” es-moll op.68 (1913)
・岸野末利加:単彩の庭 IX(2023-2024)
Malika Kishino: Monochromer Garten IX for Piano (2023-2024)
・クロード・ドビュッシー : 喜びの島(1904)
Claude Debussy: L’Isle joyeuse L.106 (1904)
第二部 対談(保屋野美和+田中美登里)
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2025年8月3日(日)15:00開演/14:30開場
Day2 ある音楽家のための楽譜(Albumblatt für einen Musiker) / Paul Klee
選曲・ピアノ 瀬川裕美子
Paul Kleeの絵画・造形思考と共鳴してきたSegaway-project企画10年間の解体/再構成+α版。自らの委嘱作品が一堂に会しての再演、そして今年生誕100周年を迎えるブーレーズとブクレシュリエフの作品を軸に“構造”に迫る、「クレー展」のような夢想的な“造響思考”への誘い。
第一部 演奏
・ピエール・ブーレーズ:第3ピアノソナタ〈Sigle〉(1955-63)
Pierre Boulez: Troisième Sonate , Formant 1 – Antiphonie : Sigle (1955-63)
・近藤譲:三冬(2019 瀬川裕美子委嘱作品) –
Jo Kondo: Three Winter Months (a commissioned work 2019 by Y.Segawa in 2019)
・ヨハネス・ブラームス:間奏曲 op.119-3(1893)
Johannes Brahms: Intermezzo, 4 Klavierstücke op.119, No.3 C dur (1893)
・アンドレ・ブクレシュリエフ:ピラネージによる6つのエチュード(1975)
Andre Boucourechliev: Six Ètudes d’après Piranèse pour piano solo (1975)
・ピート=ヤン・ファン・ロッスム : amour (2018)
Piet-Jan van Rossum: amour à Masakazu Natsuda (2018)
・鈴木治行:Lap Behind (2017 瀬川裕美子委嘱作品)
Haruyuki Suzuki: Lap Behind (commissioned by Y. Segawa in 2017)
・フランシス・プーランク:その小さな優しい顔(1939)
Francis Poulenc: Ce doux petit visage, FP 99 (1939)
・ピエール・ブーレーズ:天体暦の1ページ(2005)
Pierre Boulez: Une page d‘euphemeride (2005)
・夏田昌和:Bachの名によるパッサカリア(2015 瀬川裕美子委嘱作品)
Masakazu Natsuda: PASSACAGLIA sur le non de Bach pour piano (commissioned by Y.Segawa in 2015)
・ヨハン・セバスチャン・バッハ:テンポ・ディ・ガヴォット(1725)
Johann Sebastian Bach: Partita Nr.6 BWV 830, Tempo di Gavotta (1725)
第二部 対談(瀬川裕美子+田中美登里)
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2025年8月9日(土)15:00開演 / 14:30開場
Day3 つむぐ
選曲・ピアノ 安田結衣子
音を紡ぐ、色を紡ぐ、記憶を紡ぐ。 パリ留学を通して出会った作曲家たちの作品を中心としたプログラム。バロックから印象派の作品にみられる豊かな色彩、それに魅せられた現代の作曲家たちが新たに生み出した音楽。それらの作品を通して自身の記憶をも織りなす。
第一部 演奏
・ジャン=フィリップ・ラモー:ガヴォットと6つのドゥーブル(1724)
Jean-Philippe Rameau: Gavotte et six doubles (1724)
・クロード・ドビュッシー : ロマンティックなワルツ(1890)
Claude Debussy: : Valse romantique (1890)
・松宮圭太:魔法陣(2018)
Keita Matsumiya:Pentacle (2018)
・坂田直樹: 残像Ⅱ (2013)
Naoki Sakata: AfterimagesⅡ (2013)
・ジェルジュ・リゲティ: 練習曲第1巻(1985)
György Ligeti: Études pour piano (1985)
第二部 対談(安田結衣子+田中美登里)
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2025年8月10日(日)15:00開演/14:30開場
Day4 Transfer to Japan
選曲・ピアノ 林賢黙(イム・ヒョンムック)Hyun-Mook Lim
日本を拠点として活動したり、日本へのイメージを描いたりしている今この時代を生きる若手の作曲家の作品を紹介する。日本という交差点を共有する外国の作曲家たちが眺めた日本のイメージを多角度で紹介することはもちろん、日本の聴衆との国際的なコミュニケーションの場になることを期待して。
第一部 演奏
・ニコラ・ブロシェック:星からの微かな光(2014/25)
Nicolas Brochec: Lueurs Sidérales (2014/25)
・李相彬(イ・サンビン):上野からの断片(2025)
Sangbin Rhie: Fragments from Ueno (2025)
・レオニード・ズヴォリンスキー:太陽風(2022)
Leonid Zvolinsky: Solar Wind (2022)
・李守斌(イ・スビン):君に向かって、いるかホテル(2024)
Soobin Lee: Toward You, The Iruka Hotel (2024)
・顧昊倫(コ・コウリン):下沈の鯨(2021)
Haolun Gu: Sinking Whales (2021)
・李翰(イ・ハン):ループバック ch.1(2025)
Han Lee: loopback ch.1 (2025)
・スン・ジュ:ピアノ曲 第1番「マークJ」(2013/25)
Saint Deus: Klavierstück Nr.1, Mk-J (2013/25)
第二部 対談(林賢黙+田中美登里)
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【チケット】 6/1 より受付開始
入場チケット料金(税込):全席自由 定員40名
一般3,500円、学生・シルバー2,000円、門天会員2,500円 当日各+500円
*未就学児の入場はできません。
*シルバー券は65歳以上が対象です。
*学生・シルバー・門天会員券は、入場の際、学生証などの提示が必要です。
配信チケット料金(税込):1,000円
チケット取扱:Peatix
Day1(保屋野美和) https://peatix.com/event/4403845
Day2(瀬川裕美子) https://peatix.com/event/4403846
Day3(安田結衣子) https://peatix.com/event/4403848
Day4(林賢黙) https://peatix.com/event/4403854
主催:一般社団法人もんてん
協力:株式会社山石屋洋琴工房、ナヤ・コレクティブ、しろばら百藝社
助成:芸術文化振興基金助成事業
問い合わせ:両国門天ホール 電話・FAX 03-6666-9491 メール ticket@monten.jp
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【プロフィール】
保屋野美和 Miwa Hoyano
東京音楽大学ピアノ演奏家コース卒業。ドイツ政府給費留学生としてドイツ、ハノーファー音楽演劇メディア大学に留学し、国家演奏家資格を取得。またイタリア、ペスカーラ音楽院にて研鑽を積む。IBLAグランドプライズ国際音楽コンクール優勝、PTNAピアノコンペティショ ン特級銅賞など 国内外での受賞多数。 2020年東京オペラシティリサイタルシリーズ B→C出演。現在はベルリンに在住し、新作初演を行うなど様々なジャンルで活動を展開している。日本アコースティックレコーズよりCD「Farben~色彩~」をリリース。 https://www.miwa-hoyano.com
瀬川裕美子 Yumiko Segawa
国立音楽大学を首席で卒業。リサイタルをトッパンホール等にてバッハから邦人委嘱作品までのプログラムで10回開催。ここ数年はブーレーズの作品を軸にパウル・クレー・リサイタルを開催し6枚のCDをリリース。レコード芸術「特選盤」、また朝日新聞等のメディアで取り上げられる。東京オペラシティ「B→C」に出演他、静岡市美術館主催ミュージアム・コンサートをはじめレクチャーも展開。パウル・クレー・センター発行の国際クレー研究誌『Zwitscher-Maschine』に論考が掲載される。http://www.yumikosegawa.com/
安田結衣子 Yuiko Yasuda
京都市立音楽(現京都市立京都堀川音楽)高等学校を経て、東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。同大学卒業時にアカンサス音楽賞受賞。パリ国立高等音楽院ピアノ伴奏科に審査員の満場一致で入学、同音楽院を最優秀の成績で卒業。Klangspuren Schwaz音楽祭にインターナショナルアンサンブルモデルンアカデミー生として参加。第10回現代音楽演奏コンクール<競楽X>入選。現代音楽セミナー「秋吉台の夏」ピアニスト兼講師。作曲家としても委嘱作品多数。 現在はピアニスト・作曲家として活動する傍ら、東京藝術大学音楽学部、東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、東京藝術大学ジュニア・アカデミー、東京音楽大学などにて後進の指導にもあたっている。
林賢黙(イム・ヒョンムック)Hyun-Mook Lim
主に現代音楽を演奏するピアニスト。現代音楽の演奏を始めて以来、数々の作曲家と協業しながら作品を演奏している。彼女の演奏は音と人間との関わり、特に過去の作品を現代の今・ここの時点で演奏することにおいての演奏者の責任や立ち位置への興味を表している。彼女は現在東京に滞在しながら韓国と日本両方を中心に活動し、最近はピアノと電子音楽のための作品を用いた演奏経験の拡張と現代のテクノロジーによる作品の復元を中心に演奏活動を続けている。https://www.hmlim.com
田中美登里 Midori Tanaka
東京芸術大学楽理科卒。1979 年にアナウンサーとしてTOKYO FM 入社。報道・音楽番組に携わり、90 年からディレクターに。主な担当番組は「民族音楽を訪ねて」「ミュージックタイム」など。89 年から35年続いた「トランスワールドミュージックウェイズ」ではボーダレスな視点を貫き、「泳ぐ楽園・東京版」でギャラクシー・ラジオ大賞、「小笠原:リンクする歌の島」では芸術祭放送個人賞を受賞。衛星ラジオ「MUSICBIRD」では2002 年から16 年間、クラシック・チャンネルのプロデューサーを務めた。24年10月から「ミドリノラジオ」出演中。現在はフリーランス。